CANベースのタイヤ空気圧モニタリングシステム
タイヤ空気圧は、道路の安全、乗り心地、タイヤの寿命、および車両の燃料消費量を左右する重要な要素です。走行中のタイヤ空気圧を監視する機能の重要性は明らかで、これまでにさまざまな開発が行われてきたにも関わらず、連続生産に適したシステムの設計や製造が可能であることが最近になってようやく実証されたところです。Beru社が提供しているタイヤ空気圧モニタリングシステムは、ドイツの自動車メーカーから承認された唯一のシステムで、タイヤの破損を回避し車両の可動性を維持することが可能です。現行の連続生産システムは、次のタスクを実行します。
- 走行および停止時のタイヤ空気圧の継続的なモニタリング
- 圧力損失、走行時のタイヤ空気圧の極端な低下、およびタイヤ破損のドライバへの早期警告
- タイヤ空気圧の公称値設定時およびタイヤ空気入れ時のエラー防止
- ホイールの自動識別および位置決め
- 車両の製造時および修理工場におけるシステムおよびコンポーネントの診断
タイヤ空気圧モニタリングシステム(Tire Pressure Monitoring System: TPMS)は、タイヤ内の空気圧と温度を短い間隔で測定するバッテリ駆動のホイールエレクトロニクスです。ホイールエレクトロニクスの個別識別符号やバッテリ寿命に関する情報とともに、これらの値はデータテレグラムとして、ホイールアーチに設置された無線周波数アンテナに無線で送信されます。そこから、電子制御ユニットまでケーブルで中継されます。制御ユニットはデータテレグラムを評価し、送信元を識別し、ドライバに通知すべきかどうかを判断します。タイヤはそれぞれ個別にモニタリングされます。各タイヤの空気圧は温度特性を使用して基準圧力に変換されます。ドライバまたは自動車メーカーは、車両ごとの望ましい値としてタイヤ空気圧の公称値を入力します。ドライバがこの値を入力すると、設定エラーを回避するためにシステムによってその値の妥当性がチェックされます。チェックが済んだ値はタイヤ空気圧のモニタリングに使用されます。システムは適合しているホイールを自動的に識別するため、(冬用タイヤを使用する場合などに)新しいホイールや別のホイールと交換して混乱が生じたり、付近にある別のタイヤ空気圧モニタリングシステムの無線信号を誤って利用したりすることはありません。このシステムはホイールの位置も識別可能で、新しいホイールが取り付けられた場所が車両の右後ろであるといったこともわかります。また、スペアホイールを空気圧モニタリングシステムに統合することもできます。4つのアルミ製バルブ、ホイールエレクトロニクス、無線周波数(Radio Frequency: RF)信号受信アンテナ、および4つのアンテナを電子制御ユニット(Electronic Control Unit: ECU)に接続する干渉耐性のある特別なシールドケーブルが、スペアホイールのモニタリングに対応していない現行の連続生産システムを構成します。このECUには、車両内の他のECUに処理前のタイヤ空気圧測定値を伝送するためのオプションCANインターフェイスが用意されています。現行の制御ユニットと異なり、現在開発中の制御ユニットでは、ホイールエレクトロニクスから情報を呼び出すことができます。これは、個別ホイールの場所を特定するプロセスを大きく改善し、タイヤのステータス情報のレベルを高めるのに役立ちます。このデジタル制御ユニットには、マイクロプロセッサ制御を備えた評価ユ ニット、CANバス、および診断用インターフェイスが搭載されています。このユニットは受信したデータを評価し、必要に応じてドライバ情報システムにメッセージを送信します。
タイヤ空気圧モニタリングシステムはすでに、BMW 3/5/7シリーズや最新のX5、ダイムラークライスラーSクラス、CLクーペ、およびAMG Eクラス、Audi A8および4WD Quattroなどのモデルにオプションとして提供されています。また、さまざまなメーカーがその他のモデルにタイヤ空気圧モニタリングシステムを搭載することを計画しています。新しいシステムではさまざまなバージョンや装備レベルの利用が可能になるため、あらゆるカテゴリの車両で使用できます。また、ランフラット特性を備えたタイヤでは、タイヤ空気圧モニタリングシステムの設置が事実上必須であるため、ランフラットタイヤの利用が進むとタイヤ空気圧モニタリングシステムの普及も進みます。これは、タイヤ空気圧モニタリングシステムがないと、ランフラットタイヤのパンクにドライバが気付かずに使用限度を超えて長時間走行したり高速で走行したりしてしまう危険があるためです。
(引用元: CANニュースレター、2003年1月)









